車のルーツ

自動車の始まりは、現代の内燃エンジン(レシプロロータリー)ではなく蒸気の動力で走る「蒸気自動車」が起源とされています。蒸気自動車が生まれたのは1769年頃、18世紀フランスの軍事技術者「ニコラ=ジョゼフ・キュニョー」が蒸気三輪自動車を発明したことが自動車の起源とされています。

その後、1831年にイギリスの発明家「ゴールズワージー・ガーニー」や「ウォルター・ハンコック」が、蒸気機関を搭載した乗合自動車(バス)を製作し実用化されていました。

当時の人達の交通手段である「馬」から蒸気を利用した自動車は非常に珍しく画期的な乗り物とされ「馬なし馬車」と呼ばれるようになりましたが、馬を利用したバス(乗合馬車)の団体の圧力や、蒸気特有の騒音や公害によりやがて衰退していきました。イギリスでの蒸気自動車は定着しませんでしたが、1897年にアメリカの「スタンレー社」が蒸気ボイラーの小型化に成功し生産を始め、日本でも1901年に横浜の貿易会社がアメリカの「ロコモービル社」の蒸気自動車を輸入し実用化されました。

一方、内燃機関(エンジン)を搭載した自動車の始まりは、1870年オーストリアの発明家「ジークフリート・サミュエル・マルクス」が、荷車にガソリンを燃料にし走行する自動車を発明。1876年にはドイツの発明家「ニコラウス・オットー」がガソリンエンジンを造ると(現在でも言われる「オットーサイクルエンジン」の由来)同じくドイツの技術者「ゴットリープ・ダイムラー」がこれを改良し、1890年に「ダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフト社」(DMG)をダイムラーのパートナーである「ウィルヘルム・マイバッハ」と共に設立し1892年に自動車販売を開始しました。